欠伸軽便鉄道通信 142024年01月14日 06:00

風車と風力発電(連載第14回)

 鉄道から少し外れますが、今回は欠伸軽便鉄道における自然エネルギィ利用について述べましょう。
 太陽光発電は、小さい車両(45mmゲージ)であれば簡単に実現できます。市販の模型用太陽光発電パネルと、動力のモータを接続するだけです。鉄道は走行抵抗が非常に少ないため、この点では有利です。ただ、太陽が当たっていない木陰では止まってしまいます。
 人間が乗った車両を引っ張ることができる5インチゲージの車両を、太陽光発電で実用化するのは少々無理があるようです。これに挑んだモデラもいましたが、完全には実現していません。発電パネルを車両全体に装備しても電力が足りないからです。現に、実機でそのような車両は開発されていないようです。
 欠伸軽便は森の中にあるので、夏はほとんど日射が届きません。でも、風はだいたいいつも同じ方向から吹きます。そこで、風車による発電を試してみることにしました。
 最も簡単なのは、直流モータにプロペラをつけて、風で回すことです。風に正対させるためには、風向計のように尾翼を付け、向きを変える機構にします。大きなプロペラをつけた場合には、ギアで回転を上げ(増速し)てモータを回した方が、効率が良いはずです。
 ストラクチャとして製作した風車もあります(写真1、2)。回転部の直径は約2mです。ロータブレードは、アルミのアングルとプラスティック板で作りました(図1)。その中心には、自転車のホィールに使われるハブダイナモという部品を利用します(写真3)。2000円くらいで買えるパーツです。ベアリングの代わりにもなります。ただし、発電した電気は交流なので、発光ダイオード(LED)を点灯させるため整流(直流に変換)する必要がありました(図2)。
 風で風車が回るとLEDが明るく光り、真っ暗な夜でも風が吹いていることがわかります。また、ライトを点灯させることで、エネルギィ変換した分、風車は回りにくくなり、高速で廻りすぎないよう、ブレーキの効果もあります。
 本来は、発電量が最も多くなるように、ロータのピッチを自動でコントロールするシステムが必要ですが、そこまではしていません。風速10m以上の風が予想されるときは、風車を取り外して、屋内に仕舞うことにしています。

図1 風車の作り方: 上部は風向きに合わせて方向を変えられるように作る。ロータは、ナット1つで取り付けられ、強風が予測される日は外しておく。

図2 交流を直流にする整流回路: ハブダイナモで発電した交流で、発光ダイオードを点灯させる場合の回路。

写真1 風車とレールカー: 図では平面を六角形で示したが、この実物は八角形。それぞれが自由に好みの形に作ろう。

写真2 風車と工場:工場はモルタル製

写真3 風車の中央部のハブダイナモ: これが発電をする。なによりも耐久性が高い。


写真4、5 風速風向計: 新品を買うと驚くほど高いので、中古で入手。航空部が一番気にしている。

写真6 風車のストラクチャ: 小さいサイズの風車も2機ある。風でただ回るだけ。

追伸 冬は青空が広がり、明るい庭園になるが、とても寒い。雪は暖かい日に降る。