欠伸軽便鉄道通信40 ― 2025年01月12日 06:00
欠伸軽便鉄道の歩み(連載最終回)
欠伸軽便鉄道という名称は、僕が小学生のときに決めたものです。当時はHOゲージで、何度かレイアウトの製作に挑戦しましたが、いつも、完成より次のプロジェクトへ移る方が早く、当時から飽き性だったようです。
1993年頃に、3.5インチゲージのライブスチームをキットから製作し、これを狭い庭で走らせました。線路の全長は9mしかなく、しかも直線だけ。走り出したらすぐにバックしなければなりませんでした。
2000年頃に引越をして、5インチゲージで30mほどのエンドレスを庭に敷くことができました。その後も何度か引越をして、現在は全長500m以上あります。機関車も少しずつ増えて、今、40号機の設計と材料集めをしているところです。つまり39台も機関車があることになります(写真1~8)。
45mmや32mmゲージの小型の機関車になると500台近くあります。小型といっても、NゲージやHOゲージの何倍もあり、置き場所に困っています。とにかく、作ったり、手に入れたりしたものを手放したことが一度もなく、壊れたものはすぐに修理しているので、どれもすぐ動く状態にあります。
これらの機関車たちは、3つのガレージにぎりぎり収まっていますが、これ以上増えると、ガレージを増築するしかありません。庭の線路も、これ以上長くすると一人で管理することが難しくなります。ですから、次に引越をしたら、規模を縮小し、少しコンパクトにしようと考えています。引越のときに持っていけないものもあります。たとえば、コンクリートで地面に作ったターンテーブルなどがそうです。しかし、線路はすべて置いてあるだけなので、数日で撤去することができ、組立ても2週間くらいで可能でしょう。いつも、そのような変化に対応できるように考えています。
さて、これからの欠伸軽便鉄道は、どのようなものを目指すのでしょうか? 第一目標は、毎日乗って楽しめる状態を維持すること。自然の中を走ることの楽しさは、不思議なほど飽きません。
それ以外にも沢山の夢や計画があります。たとえば、人が乗れるモノレールとか、メリーゴーラウンドとか、急斜面のケーブルカーなども作りたいと考えています。でも、すべてを実現するのは少し無理かもしれません。夢も計画も、行き着くところ、「目的」が大事なのではなく、そこを目指して進む毎日、「過程」に価値があると思います。
何をするのかという具体的な「目的」ではなく、その目的を「目指す」ことが、楽しさの本質なのです。「何をするのか?」の答は、「なんでも良い」とさえいえます。庭園鉄道でなくても良いし、鉄道でなくても良いし、工作でなくても良い。ただ、なにかを「目指す」気持ちを持ち続けて、日々の時間を大事に使いましょう。一歩一歩、夢に向かって前進することが楽しいのです。
写真1 2号機AB10と12号機AB20の重連: この2両の電気機関車のボディはボール紙製。欠伸軽便鉄道の代表的なデザイン。20年以上経過しているが、今も現役。
写真2 33号機AD67: 4軸全輪駆動の強力な機関車。やはりボディはボール紙製。新幹線と同じ音色のホーンを鳴らすことができる。
写真3 29号機レールバス: イギリスの老人から譲り受けた機関車で、7.25インチゲージだったものを5インチゲージに改軌。ボディは木製。沢山の人形が乗っている。
写真4 28号機ホィットコム: 友人が設計した機関車で、レーザカットされた鋼板を譲ってもらって製作。7.5インチゲージのサイズ。キャブの屋根を高く変更している。
写真5 20号機シェイ: 友人が設計、製作をしたライブスチーム。アメリカの森林鉄道のスケールモデルだが、ピンク色に塗られているのは世界唯一。燃料は木炭。
写真6 27号機木曽ボールドウィン: 友人が設計したライブスチーム。木曽森林鉄道の1/6スケールモデル。ボイラは、日本のメーカ、OS製。石炭が燃料。
写真7 30号機ジェット: ラジコン飛行機用のジェットエンジンを搭載。燃料は灯油。後方に噴射して推進する。スピードはブレーキでコントロールする。爆音が轟くので、普通の場所では近所迷惑になるだろう。
写真8 ジャイロモノレール9号機: 2つのジャイロを搭載し、1本のレールの上をバランスを取りながら走行する。100年まえにイギリスで発明されたメカニズムの世界的にも珍しい鉄道模型。
ごきげんよう、またいつか……:
40カ月のご愛読に感謝いたします。欠伸軽便鉄道は、まだしばらく運行します
(つづきは、欠伸軽便鉄道のブログで http://akubilr.asablo.jp/blog/)
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