WuhuのFlak #12013年05月12日 10:17

 中国のWuhu社の製品で、たぶん、自社ブランドでは最初の1台ではないかと思います。ウェブサイトによれば、イギリスのマラードなども作っているようですが、1番ゲージ・アソシエーションが発売しているものと同一のようですし、想像ですが、これまでAccucraftの下請けとして多くの製品を供給してきたのではないでしょうか。
 最初の製品としては、いきなりマイナな機種です。ライブスチーム誌を古くから読んでいる方は、あのハリス氏の5インチの有名な機関車でご存じでしょう。アメリカのロギングシーンでときどきモデルが登場するFlak1号機です。僕自身も、HOスケールとOスケールで持っていて、少しまえに出た電動のGスケールも買おうかなと迷ったのですが、ライブスチームで登場するとは思いませんでした。雑誌で見かけて、すぐに予約をしました。まさか、予定どおりに発売になり、こんなに早く届くとは思いませんでした。
 特徴としては、とにかく小さいこと。そして、写真を見てわかると思いますが、ウィンチを巻き上げるメカニズムが存在感を誇示しています。このウィンチは、キャブ内のエンジンで動かすのですが、残念ながら、このモデルではエンジンはダミィです(歯車は動きます)。たぶん、沢山のマニアが、これを動くように改造するでしょう。小さなエンジンを取り付けるか、あるいは電動にするか、ですね。
 45mmゲージ。ガス焚きです。ガスタンクはキャブ内に。装備としては、圧力計、水面計、レギュレータが揃っています。ホィッスルも、ドームの上のバルブで鳴らせます。特に圧力計はとても小さく、あまり見たことのないサイズ(直径1cmほど)で驚きました。ちゃんと機能します。
 この機関車、値段は(予約価格だったので)780ドルでした。ですから入門機の値段です。ところが、バルブギアは、本格的なスチーブンソン式で、細かいパーツで構成されています。下の写真が前輪です。シリンダの間に、置換式給油機があります。
 一方、後輪は、軸同ポンプを動かしています。これも、この値段の機関車では驚きの装備といえます。たぶん、超小型でボイラが小さいことを補うためでしょう。なお、全輪のサスペンションが利きます。
 キャブ後部に水タンクがあって、100ccほどの水が入ります。走らせたところ、唯一の欠点は、この水タンクのハッチが、タンクの中に落ちてしまうことくらいでした(落ちたら、ピンセットで取り上げるしかありません)。透明のシリコンチューブがあるので、給水の具合が見えます。走行させましたが、軸動ポンプが作動していても、水面はしだいに下がります。やはり補助としてポンプが付いているだけで、完全に給水できるわけではないようです。
 作りは完全にAccucraftレベル。入門機ではなくスケール機です。やや繊細で、強度が不足する気はしますが、これもAccucraft風といえます。もし、Accucraftのブランドだったら、たぶん、2倍近い1400ドルくらいになっていたでしょう(それでも充分に安いと思いますが)。中国の技術力に拍手を送りたいと素直に思いました。

コメント

_ 帽子屋さん ― 2013年05月13日 12:40

今日和。可愛らしい機関車ですね。
中国の人達も、粗悪な模倣品ではなく、世界の下請け時代に磨いた技術で、オリジナルで勝負していってほしいものです。

色合いが私のもつ欠伸鉄道のイメージとちょっと違いますが、時間がたてばウェリングで欠伸鉄道風になっていくことでしょう。

ウインチの改造、楽しみにしています。

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック