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トンネルの作り方(連載第31回)
トンネルは、日本語では隧道(すいどう)といいます。山を避けると遠回りになる場合、しかたなく土や岩を掘ってトンネルを作ります。鉄道模型では、まったくこの逆で、線路を覆い隠すため、わざわざ山を作ります。とても贅沢な話です。
庭園鉄道は、大部分が自然の地形を利用します。でも、トンネルを掘るような工事は、世界中の庭園鉄道でも例がないと思います。高い土地に線路を通すときには、溝を掘って切り通しにします。その上に天板をのせて土を被せればトンネルになります。
しかし、両サイドの土が崩れる心配があるため、充分な大きさの鉄管やコンクリート管を埋めて、その中に線路を通す方法が一般的です。強度的にも、これなら安心です。
トンネルが直線の場合は、これで解決しますが、カーブしたトンネルが欲しい場合があります。ミニチュアの鉄道では実物のように長いトンネルは難しく、線路が真っ直ぐだと、トンネルに入るまえから出口が見えてしまいます。その点、カーブのトンネルなら、真っ暗な中に入っていく醍醐味が味わえるでしょう。
カーブのトンネルを作るときは、既製品の管だけでは不足で、現場でこれらの加工が必要です。鉄管なら切断や溶接、コンクリート管では、型枠、鉄筋の配置、コンクリート打設などの作業を伴います。
欠伸軽便鉄道のトンネルは、大きなU字溝(内のりの高さと幅は1.2m)を下向きに置いて作りました。カーブ外側にできる隙間には、型枠を置き、鉄筋を配置して、コンクリートを打設しました。U字溝を3つ使いましたがが、何トンもある重量物ですから、運んできてもらい、クレーンで置くところまで建設業者に依頼しました(図1)。
ところで、トンネルの壁をブロックで自作すると、土圧で内側に倒れたり、天板が崩れたりする危険があります(図2)。また、木造では土圧や水を止めることが難しく、作ったときは持ち堪えても、いずれ腐って崩れます。自作をする場合には、土を被せない方が良いでしょう。中を通っているときは同じですから。
トンネルには、トンネルポータルが付きものです。両方の出入口、つまり2箇所に作ることができます。欠伸軽便鉄道は、いずれもレンガを積んで作りました。軽便鉄道にしては立派すぎます(図3、4、写真1~5)。森林鉄道にあるような木造のポータルも良い雰囲気になることでしょう。
写真1 U字溝コンクリートを置き、土を半分ほど盛りつけた。
写真2 レンガを積み、壁を両側に作っている途中。
写真3 半円形の木枠をセットした。レンガの穴に通す鉄筋が見える。
写真4 木枠の周囲にレンガを積み終わった。このあと、木枠を下へ外す。
写真5 完成したトンネルポータル。トンネルの穴の高さと幅はいずれも1.2m。
追伸 7年かかって完成した38号機。ドイツの機関車コッペルの1/6スケールモデル。
図1 欠伸軽便鉄道のトンネル工事: U字溝(コンクリート製品)を並べ、カーブで開いた隙間をコンクリートでつないでから、土を盛りつけて山を作った。つなぎ部分のコンクリートには鉄筋を入れる。
図2 ブロックを積む方法は危険: 両サイドにブロックの壁を作り、上に天板をのせるよう構造では、土を盛りつけると、土圧でブロックの壁が崩れる危険性がある。土を盛ることを諦めた方が良い。
図3 トンネルポータルのレンガ積み: 上部のアーチの部分は、木枠を仮にセットして、レンガを積む。念の為にレンガに穴をあけ、鉄筋を通す。完成したら、木枠を解体する。
図4 レンガ壁の倒壊防止策: 土圧による倒壊を防ぐため、手前に支持壁を作るか、内側に鉄筋とコンクリートでアンカー構造を作る。土に埋めるまえに鉄筋は錆びないようにコンクリートで覆うこと。
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