連接車とトラム試運転2011年02月04日 08:20

 連接車がどうやら好みらしいです。というのも、連接車だから集めているというわけではなく、好みの車両を入手するうちに、気がついたら、「あ、これも連接車か」となっただけです。古いところでは、乗工社の玉電とか、カルフォルニア・ゼファとか、最近ではプレィモビルの電車とか……。
 このフライング・ハンバーガ(空飛ぶハンブルグ人)は、ドイツ版のゼファのような車両ですが、こちらの方が本家のようです。気動車で、150km/hくらい出たそうで、当時の各国の車両デザインに影響を与えたことでしょう(日本にも似た車両がいくつか……)。
 このモデルは1番ゲージ(45mmゲージ、1/32スケール)でドイツのメルクリン製。デジタルだそうですが、コントローラがないので、サウンド機能などは発揮できません。どれくらいのカーブが曲がれるだろう、と心配でしたが、屋外レイアウト(半径3m)ではOKでした。連結部は凝った構造です。カーブでも隙間がほとんど開きません。
 問題は、1両が70cm以上ありますし、重いし、しかも簡単に切り離せないので、持ち運びが一苦労だということ。しかし、たしかに走らせると、雰囲気は格別です。やっぱり、鉄道模型は走ってなんぼのもの、と再認識します。
 こちらの機関車も、走らせました。圧が上がっても、押してやらないと走りません。押せば、3〜4mくらいは走りますが、そこで止まってしまいます。これでは、弾み車のおもちゃと同じですが、しかし、作った本人は、「お、意外に走るじゃん」と大いに満足しているのですから、不思議なものです。

双頭のシェイ2011年02月04日 14:45

 SLの形式のうちではシェイが最も好きで、ライブスチームは15台くらい、電動ならば40台くらい持っていると思いますが、そのシェイの中でも最も好みなのは、ミシカル2号機です。5インチのピンク・シェイがそうですし、アキュクラフトからも同型が出ています。後ろが2段タンクになったオイル焚きが良いですね。ストレートの網の煙突がお気に入りです。最初に手に入れたシェイも、乗工社のこのタイプでした。
 アキュクラフトは3種類のシェイを出していますが、そのうちの1台がこのタイプ。同じものを2台持っていて、よく走らせるのですが、同時に2台をスチームアップしてみようと思い立ち、ダブルヘッダを試みました。
 そのまえに、こうして並べてみると、この2台、だいぶ違うことに気づきました(これまで気づかない方が鈍感です)。奥が古い方で中古で入手、手前は最近新品で購入したもの。
 まず、屋根の開け方が違います。まえは後ろにスライドさせましたが、今は横に開ける仕様になっています。また、塗装の黒の艶も微妙に違い、新しい方がややフラットです。装備では、新しい方には水面計が付きました。給油器のバルブも付きました。ガスタンクの形も四角から丸くなっています。火をつけて比べてみると、新しい方がずいぶんバーナの音が静かになりましたし、長く燃えています。容量は見た感じ変わりませんが。
 新しい方には、こんな配管とバルブが付属品に含まれていました。何だろうと思い、マニュアルをざっと見ても書いてありません。そういえば、まえの型のときから気になっていたのですが、後部タンクの横の床に丸い穴が開いているのです。新しい方にも同じところに穴があります。
 それで、そこにバルブを付けると、と考えていくと、ボイラまで配管が届き、そこに蓋がされたブッシュがありました。圧力計に隠れてよく見えない位置なので気づかなかったのです。つまり、これは、水のオーバフローを排出するための配管なのです。
 しかし、新しい方には水面計があるので、それを見て給水すればオーバフローにはなりません。したがって、これは古い方のシェイにうってつけの部品となりました。さっそく装備しましょう。ちなみに、水面計がないボイラへ水を入れるときは、適当に入れては、スポイドを差し入れて水を吸い込み、そのスポイドの高さで水面の位置を探ります。そういう苦労をしなくてよくなりました。
 違うなあ、と思って眺めると、どんどん見つかります。お、床の木目が違う。新しい方は、かなり細かく木目が入っています。古い方はつるつるです。前後にあるステップの木目も模様が違いました。新しい部品にしたのですね。
 ほかにないかと探すと、ベルと発電機がのっているプレートの大きさが違います。上の写真では奥が新しい方ですが、少し小さくなって、ボイラベルトの間に収まっています。それから、煙室の銀色の部分の長さも短くなっています。うーん、いろいろ改良されているのでしょうか。 
 ところで、古い方のシェイは、この写真のようにシャーシが撓んでいます。今日、例の床が撓んだ貨車を引かせましたが、ああいったウェザリングではなく、自作の棚が壊れたときに、飾ってあったこのシェイが1.5mほど落下し、そのときに変形してしまったのです。その後も何度も走らせているので、機能的には問題がないようです。伸縮するジョイントのおかげですね。

アスター85502011年02月13日 15:58

 2日ほど運転ができなかったので、鬱憤を晴らすような機関車を、と考えて、アスターの8550を走らせました。アルコール焚きです。この機関車は日本のアスターが最初(1975年)に発売した製品です。つい最近古いライブスチーム誌で、今はガーデンレイルウェイズの編集長のホロヴィッツ氏が、アスターの井上氏にインタビューしている記事を見つけました。それによると、この8550とスクールズは、いずれも3000台も製造されたそうです。凄い数字ですね。今ではその10分の1だってなかなか作らないのでは?
 しかし、その生産台数に恥じず、8550とスクールズは、小型ライブスチームの傑作中の傑作機で、渡辺精一氏のデザインだそうです。ライブスチーマなら絶対に1台は持っていた方が良い、という名作だと思います。理由は簡単で、とにかく「よく走る」に尽きます。水面計も圧力計もありません。非常にシンプルで、壊れるところがない、という頑強さ。欠伸軽便の8550は単気筒ですので(後期に2気筒の製品が出たそうです)、スローは効きませんが、本当に1分か2分であっという間にスチームアップし、その後はとことん突っ走る、という感じです。
 そうそう、普通の8550はもちろん黒です。当社の8550は、中古で入手したものの塗装を剥がしてから、オレンジ色に塗り直したものです。写真の緑の客車もアスター製で、これはスクールズ用だったかと。

フィラデルフィア2011年02月14日 09:58

 10年ほどまえにオーストラリアのArgyleが販売していたPhiladelphiaという機関車です。このメーカでは、ほかにサドルタンク0-4-0のBantamがありますが、それは大変よく走る小型機関車でした。
 このPhiladelphiaは、リアタンクの0-4-2でボールドウィン風ですが、一番の特徴はT型ボイラだということです。昨年、中古でようやく入手しました。まだ走らせていないので、そろそろと考え、整備をしているところです。昨夜は実際に室内でスチームアップし、動輪を回すところまでいきました。
 ただ、不思議なことがあります。この機関車は重心が第2動輪よりも後ろにあって、尾輪がなければ尻餅をついてしまうのです(明らかにT型ボイラのせいです)。このため、尾輪のスプリングの調整が難しく、実際の走行はもう少しさきになりそうです。
 入手したときは、キャブ後ろのタンクにラジコンのサーボとバッテリィが載っていました。線路にのせると尻餅をつくので、まえのオーナは、ラジコンを装備したが後ろが重くなり、諦めて手放したのだな、と想像していました。ところが、これらの装備を全部取り去ってもまだ後ろが重く、よくよく観察すると、尾輪のサスペンションが壊れていることがわかったのです。
 尾輪が重量を支えるようバネを入れれば良いわけですが、弱ければ第1動輪が浮き、強すぎると第2動輪が浮きます。一番良いのは前部にウェイトを載せることでしょうか。

アキュクラフトのドックサイド2011年02月17日 19:52

 一つ前の記事で動画をアップしましたが、走っているのは、ワダワークスのドックサイドではなく、アキュクラフトの新製品です。AML(アメリカン・メインライン)ブランドの製品で、新品で購入しました(8万円台です)。アキュクラフトらしく繊細なディテールで、大変よくできています。ただ、頑丈とはいえません。どこを持てば良いのか気を遣います(これはアキュクラフトのスケール機に共通)。
 下の写真の奥がワダワークスのドックサイドで、当たり前ですが、そっくりです。ほんの少しワダワークスの方が小さい(スリム)でしょうか。20年もまえに製品化されたのに、まったく遜色ありません。ガス焚きになったことが一つの進歩です。また、なによりも価格が安いことが最大の進歩でしょう。
 キャブの屋根はサイドに開きます。水面計、圧力計を装備。ガスタンクやリュブリケータもキャブ内です。スペース的にラジコン化は少し難しいかもしれません(超小型サーボを床下に積むのでしょうね)。
 ちなみに、給水口のキャップを、2000円くらいのチェックバルブに交換すると、圧力があるときに水補給ができます。そのパーツを幾つか買いましたが、インチネジのダイスを入手して、今度このチェックバルブを自作してみようと思います。
 ガスバーナの空気取入口に、開閉を調節できるリングが装備されていました。一度書きましたが、ときどき自作していた部分です。要望があったのでしょう、メーカも標準装備にしてくれました。
 この機関車はGスケールではなく1番ゲージに近い1/29スケールですが、ボディも動輪も大きく、Gスケールに混ざってもそんなに違和感はありません。走らせたところ、重量も充分で力があります(このあたりはワダワークスのドックサイドをかなり研究したのではないか、と思われます)。それにしても、最近のガス焚きはバーナ音が本当に静かになりましたね。

凸電機2011年02月21日 19:55

 オークションで入手したニューヨーク・セントラルの凸電機。45mmゲージです。パワートラックを2つ使っていますが、ボディは、木とプラ板と真鍮板で作られた自作品です。雰囲気がとても良いと思います。
 コネクタを付けて、例のラジコン&バッテリィ・ワゴンと連結して走らせました。12Vでもわりと速度が出ます。列車を引くためには、少しウェイトを載せた方が良さそうです(ボディの中は空っぽです)。

キューロク2011年02月22日 17:51

 日本の蒸気機関車で一番好きなのはC11ですが、テンダタイプでなら、C56かこの9600です。子供の頃に稲沢などで沢山見ることができました。動輪が小さいのが良いのです。
 今日は、アスターの9600を走らせました。アルコール焚きですので、スチームアップの間は煙突でブロアを回します(下の写真)。投炭口を開けてバーナに着火するようになっています。軸動ポンプも備え、走行音も良いし、作りもなかなか頑丈です。屋根がネジ留めなのが、整備をするにはちょっと不便ですが、これくらいはしかたがないでしょう。大変バランスの良い製品だと思います。僕が持っているのは中古品で入手したものです。
 それでも、1つだけ不満を挙げるならば、それはスケールです。1/30でスケールダウンされているため、1/80で16.5mmの16番と同じく「がに股」で、前から見ると全然違う機関車に見えます(まるでイギリスの機関車みたい)。45mmゲージにのせるなら1/24で作ってほしかったし、1/30ならば、むしろ32mmゲージが近いのです。ですから、写真を撮るときにも、なるべく横から撮りたくなります。
 いうまでもなく、日本の蒸気機関車は全部ナローゲージです。そして、そこがスタイルのキーポイントだし、チャームポイントだし、全体のデザインがそこから発しているわけです。スケールに拘るつもりは毛頭ありませんけれど、「良いスタイルを崩す」ことには強い抵抗を感じます。
 今思いつきましたが、この9600もグリーンに塗り替えてイギリス型にしたら格好が良いかもしれません。そうすれば、プロポーションとマッチしますね(動輪が小さいかな……)。
 HOスケールも、この頃は1/87で12mmゲージの蒸機が沢山出回ってきました。乗工社が最初に出したときは、やっとイメージに合う日本の機関車が出たと思いました。でも、ライブスチーム並みに値段が高かったのでとても買えませんでした(状況は今も同じですが)。

石炭焚きシェイ2011年02月23日 13:12

 今日は16mmスケール(32mmゲージ)のシェイを走らせました。だいたい大きさはGスケールです。このシェイはイギリスのお店で買った中古品で、たぶん自作品だと思います。2気筒のスライドバルブのエンジンにT型ボイラで、軸動ポンプやハンドポンプも装備している本格派。そして、一番の特徴は、アルコールやガスではなく、石炭を燃やして走ることです。このサイズの機関車で、石炭焚きのライブスチームは(最近流行っていますが)まだ珍しい部類かと。
 下の写真が石炭を入れるハッチですが、だいたい直径3cm弱です。
 そこから石炭を入れるときに使うスコップがこれです。幅は約1cm。石炭は細かく砕いたものを使用。最初のうちは、着火材のゼリィ状アルコールを石炭に付けて入れます。あとは、燃える音を頼りに、石炭を適時追加するわけですが、これがなかなか難しいのです。たいていの場合、多く入れすぎてしまって失敗します。
 残念ながら、ハンドポンプのチェックバルブが甘くなっていて、圧力が上がると、お湯が少しずつ水タンクへ戻ってしまい、頻繁にハンドポンプを動かして押し返さないと水位が下がってしまうため、エンドレスを2周だけ走行したところで火を落としました。
 やっぱり石炭は良いですね。快調とはいえませんでしたが、充分に楽しめました。少し整備して再挑戦しましょう。

石炭焚きシェイ22011年02月23日 20:11

 このシェイは、入手時には既に錆だらけでした。塗装のウェザリングが4割、残り6割は煤と油による本物の汚れです。やろうと思ってもなかなかできないレベルに達しているのでは。
 ボイラのサイドには道具箱があって、中にスパナなどの道具が入っています。あちらこちらに拘りが感じられるセンスの良い作りです。
 ボイラやエンジンなど錆びては困る部分は銅や真鍮ですが、それ以外は鉄を使っていて、錆びることを計算したかのようです。道具箱の前に油差しがのっています(下の写真)。 
 後部のタンクは2/3が水、残りの1/3にラジコンの受信機とバッテリィ。サーボはキャブの床下にあってレギュレータとリバースを動かします。エンジンはシリンダが小さく、力は出ませんが、見た目のプロポーション重視なのでしょう。
 石炭焚きの機関車は、走らせたあとの掃除が大変です。下の写真は、火室の火格子を外したところ。ブロアを止めて火を途中で落としたので、まだ未燃焼の石炭が残っていました。このほかに、前部の煙室扉を開けて掃除をする必要があります。手が真っ黒になります。機関車もますます黒光りします。
 ボイラが冷えてから、給水系の2つのチェックバルブの掃除もしました。エアでボイラに圧をかけて、水が逆流しないことを確かめました。ついでにエンジンも回して整備しました。次は大丈夫でしょう。

不思議なバルブギア2011年02月23日 22:00

 シェイで、もう1つ面白いことがありました。
 この機関車は、リバースをサーボで操作します。エンジンの主軸のレバーをサーボのアームが動かしています。エンジンのスライドバルブを動かすエキセンの軸は別に(奥に)あります。その軸へはギアで伝動しています(写真左)。
 リバースで後進にしても、ときどき前進したり、ニュートラルがどこなのかわからなかったり、と不思議な挙動が見受けられました。どんな仕組みなのか真っ黒でよく見えなかったのです。
 掃除をしつつライトで照らしてじっくりと調べてみると、なんとスリップエキセントリック方式でした。そして、リバースのレバーには扇形のアームが付いていて、この扇形が摩擦でスリップする側の軸を回転させます。扇形の両端では、軸と離れるので、そこでは抵抗になりません。
 つまり、この逆転機は完全に停止したときに、バルブ軸をずらすだけで、走っているときには効きません。ニュートラル近くで軸を擦るため抵抗が大きくなって止まることがあるだけです。逆転機がどちらに倒れていても、機関車が押されると、その方向へ走りだします。
 こんな機構のものは初めて見ました。