楽しいハイスラ列車2013年12月03日 12:02

 修理が終わり、走らせました。楽しい列車です。まえに書いたように、「16mmToday」の2006年8月号に写真が載っている機関車です。作者名もありますが、その人から買ったのではありません。コンテストに出すような作品を何故売ったのか、と考えると、ご本人が亡くなった可能性が高いですね。
 機関車は、金属とプラスティックで作られたフリーランス。V型のエンジンをボイラの下に抱えたハイスラ・タイプですが、後ろの台車だけを駆動しているような構造で、前は完全な先従輪みたいです。当然ながら32mmゲージ。実際には、後ろの台車にモータがあって、V型エンジンはダミィですが、いかにもそれらしくユニバーサルジョイントが作られています。
 ボイラの中に単3電池を8本入れることができ、後ろの薪バンカの下にラジコンのアンプと受信機があったようです(これはなかったので、スイッチのみ付けました)。ベルを鳴らす紐があったり、下の写真のとおり、キャブ内のディテールも本格的です。ボイラもストレートではなく、途中からテーパになっています。蒸気ドームの上の安全弁などは、作動しそうなくらい凝っています。
 Zulu Railwayというレタリングがありますね。屋根はなくて、シートを丸めた状態で表現しています。煙突が今ひとつの感じは少ししました。雑誌の写真では、煙突のまえに、滑車のついたハンガがあるのですが、これはありませんでした。
 雑誌掲載の写真では、この機関車が引く客車3両が写っています。実は、その客車も売りに出ていたのですが、やや地味だなと思い、そちらではなく、派手な作品の方を買ってしまったのです。あとで気づいたときには既に遅く、その客車は売れてしまいました。ですから、この機関車が引くための客車ではないと思いますが、以下に同じ作者のものをご紹介します。
 3両の客車(?)とカブースです。まず、上の写真が屋根のある普通の客車。沢山人形が乗っています。アクションフィギュアという子供用のおもちゃです。
 2両めは、屋根がないオープンデッキで、これはラウンジ車というのでしょうか。バーカウンタがあり、みんな酒を飲んでいるようです。
 3両めは、寝台車でしょうか。ハンモックが4つあって、マッサージをする女性が部屋ごとにいます。
 そして、最後のカブース。車掌らしき人が透明ドーム状のキューポラから顔を覗かせています。このセンスは凄いですね。

Peter Angus's Taliesin2013年12月06日 11:16

 イギリスの小型ライブスチーマならば、知らない人はいないビッグネーム、Peter Angusのシングル・フェアリィ型機関車Taliesin(タリアシンと読みます)です。Peter Angusは、20年以上もまえからカリスマモデラとしてその名を知られていて、多くの雑誌に毎号カラーで作品が紹介されていました。主に、ギアードロコや関節のある機関車を得意とし、すべて16mmスケールのガス焚きです。一番有名なのはガーラットでしょうか。何度も雑誌の表紙を飾っています。とにかく、デザインやデフォルメが素晴らしく、スケールモデルよりも、フリーランスに見られる圧倒的なセンスに驚かされます。現在も、個人でモデル製作を受注していて、3年以上待たないと手に入らないそうです。いくらするのか知りません(定価を見たことがない)。
 今回入手したのは、もちろん中古品です。8年ほどまえに、一度だけ中古の出物を見つけました。そのときは「変な機関車だな」と思い、値段の高さに驚いて買わなかったのですが、あとになって、Peter Angusを知ったのです。あのとき買っておかなかったことを今でも悔やんでいます。
 この機関車は、0-4-4で、フォーニィと同じ軸配置ですが、前の2軸がボギィのように首を振ります。イギリスでは、フォーニィとは言いません(実機もない)。シングル・フェアリィです。同じ型式で、同じ名(Taliesin)で、Roundhouseからも数年まえにこの機関車が発売になり、1台新品で購入しました。それよりも、少し小さく、腰の低い感じです。
 塗装は見事としかいいようがなく、シックな感じ。リベットなども非常に綺麗です。屋根は外せません。操作はすべて横の隙間からします。ですから、レギュレータやバルブ類は、左右の出入口付近にあります。下の写真の上の方にあるのが、レギュレータのレバーです。逆転機は足許近くに。
 特徴的なのは、台車についているシリンダがダミィで、エンジンは火室に隠されていること。ここから、クライマクスと同じユニバーサルとギアで伝動しています。エンジンは、2気筒のオシレーチングで、12/2に書いたSVSのエンジンです(スプリング式になっています)。排気管の途中にマフラのようなものがありますが、オイル溜のようです。
 今年は、シェイとガーラットと、このフェアリィを入手できたので、大満足の一年になりました。

タリアシン比較2013年12月07日 12:04

 昨日書いた、これがRoundhouseのTaliesinです。こちらは、シリンダはダミィではなく、台車への蒸気管はシリコンチューブが使われています。そういえば、Accucraftのガーラットも(重くてひっくり返せないので)見ていませんが、たぶん関節部はシリコンチューブだろうと思います。
 絶対に、Roundhouse機の方が大きいと思っていたのです(昨日そう書きました)が、並べてみてびっくり、Peter Angas機の方がむしろやや大きいのです。もともと同じ機関車をモデルにしているので、ほぼ同じといえば同じです。
 幅も同じです。ただ、Peter Angusの方がやや背が高くデフォルメされているようです。このために、かえってスマートで小さく見えたのですね。RoundhouseのTaliesinは、購入したとき、「なんかぼてっとして、ちょっと大きくないか」と感じたのですが、誤解でした。でも、そう見えてしまうから、作り手のセンスでデフォルメをしたのでしょう。スケールどおりに作ることが、必ずしも実物のイメージを再現することとは違う、ということです。
 最後の写真は、Garden Rail誌の100号(11年まえ)に掲載されたPeter Angusのガーラットです。彼はガーラットを沢山作っていますが、これはこの雑誌の100号を記念して作られたもののようです。
 シングル・フェアリィを前後につないだものが、ダブル・フェアリィです。Roundhouseが、早くダブル・フェアリィを出してくれないかな、と期待しています。

ドイツの機関車たち2013年12月08日 15:21

 この頃、ドイツの友人ができたおかげで、ドイツの模型に接する機会が増えました。最初はまったく読めなかったドイツ語も、機関車関係のものはだんだんわかるようになってきます。興味というのは、積極的なものです。
 ドイツの機関車の名前には、最初に「BR」が付いてるものが非常に多く、まえから不思議でした。BRではイギリスになってしまいます。もしかして、「バイエルン」かな、とか想像も。それで、先日Gerd氏に、「どうしてDRじゃないのか」と尋ねたのです。ドイツ国鉄ならDRかなと思ったからです。日本の機関車は、国鉄だったら「JNR」を付けますからね。すると、この「BR」は、Baureiheの略で、意味は英語の「class」でした。ようするに、日本語だと「系」か「型」ですね。だから、どんな機関車にも付くわけです。
 ライブスチームのドイツ型テンダを3機を中古で購入しました。これは、以前に紹介した、あの変なコッペル風と同じ作者(あるいはメーカ)によるものです。まったく同じ品がオークションにも出ていたので、1台だけの自作品ではなく明らかに製品です。共通する特徴は、ポットボイラに剥き出しのガスバーナ、レギュレータはボイラの上にあって、そこからシリンダへの配管の途中に置換式給油機が左右にそれぞれある、エンジンはピストンバルブ、非常に軽量で、すべて0.3mm厚くらいのステンレス(エッチング板だと思います)を折り曲げて作られた構造、というようなところです。おそらく安さ、手軽さを追及した究極の入門機を目指したのではないでしょうか。キットで売られているのかもしれません。軽快に走りますが、力は弱く、また風に弱いのが最大の欠点です。ドイツは、5インチ以上の大きなライブスチームも室内で走らせますし、この手の機関車も、室内運転を前提にしているのかもしれません。
 上の機関車は、BR53とありました(本当かどうか知りませんが)。3機の中では小型です。レギュレータからキャブへリンケージするロッドが欠品なので、レギュレータのレバーを直接触らないと運転ができません。ポットボイラなので、ここは熱くなります。ですから、ペンチで触るしかありません。これは走らせました。よく走ったので、リンケージを作ろうと思います。
 次は、BR17です。軸配置は、4-6-0。3機ともガスタンクはテンダにありますが、タンクを水に沈めるようにはなっていませんから、寒いときはタンクが冷えてしまうと思います(やはり室内向け)。かなり大型で、ボイラが大きいので、なかなかお湯がわきません。これと次のBR23は、申し訳程度にバーナの両側に風避けがあります。
 下が、一番大きいBR23で、2-6-2です。長いデフレクタ(煙避け板)のおかげで、給油機が隠れて見栄えが良いです。動輪のスポークもなかなか格好良く、横から見ると透けていて、軽快な感じ。
 大きい2機は、風が出てきたため、スチームアップを途中で諦めました(人間が寒いこともあって)。形が違うだけで、構成はまったく同じです。キャブには、水面計も圧力計もレギュレータもなにもありません。非常にシンプルなデザインで、これはこれで「あり」なのではないかと思います。風のない日に、もう一度やってみます。

変な機関車走行試験2013年12月11日 11:22

 塗装も途中ですし、下回りも未完ですが、電池を搭載し、スイッチもつけて走らせてみました。3人フィギュアが乗っていますが、走ると両側の立っている2人は振り落とされます。
 シャーシを作った段階では、4輪の平面は出ていたのですが、ボディにネジで固定したら、それが狂ってしまい、1輪が少し浮いています。テーブルの足によくあるがたがたするやつです。この辺りは、やってみないとわかりません。ただ、それでもちゃんと走りました(フランジが高いため)。
 シリンダと電池が前部にあるので、重量のバランスは良くなりました。だから人形も乗せられるわけです。機関車は基本的に前を少し重くした方が、牽引に好都合ですし、急発進で尻餅をついたりしません。
 非常に静かに走りました。上出来です。しかし、鉄橋は通過できません。煙突を短くすれば良いなんて話ではなく、キャブの屋根も当たります。動輪が大きくなったためですね。鉄橋の横棒はリベットなので簡単には外せないのです。鉄橋を外す方が簡単です。
 というわけで、煙突もこのままにします。あとは、塗装を仕上げるだけです。ロッドを少し細く削ってやりたいとは思いますが、面倒ですね。