石炭焚きシェイ2011年02月23日 13:12

 今日は16mmスケール(32mmゲージ)のシェイを走らせました。だいたい大きさはGスケールです。このシェイはイギリスのお店で買った中古品で、たぶん自作品だと思います。2気筒のスライドバルブのエンジンにT型ボイラで、軸動ポンプやハンドポンプも装備している本格派。そして、一番の特徴は、アルコールやガスではなく、石炭を燃やして走ることです。このサイズの機関車で、石炭焚きのライブスチームは(最近流行っていますが)まだ珍しい部類かと。
 下の写真が石炭を入れるハッチですが、だいたい直径3cm弱です。
 そこから石炭を入れるときに使うスコップがこれです。幅は約1cm。石炭は細かく砕いたものを使用。最初のうちは、着火材のゼリィ状アルコールを石炭に付けて入れます。あとは、燃える音を頼りに、石炭を適時追加するわけですが、これがなかなか難しいのです。たいていの場合、多く入れすぎてしまって失敗します。
 残念ながら、ハンドポンプのチェックバルブが甘くなっていて、圧力が上がると、お湯が少しずつ水タンクへ戻ってしまい、頻繁にハンドポンプを動かして押し返さないと水位が下がってしまうため、エンドレスを2周だけ走行したところで火を落としました。
 やっぱり石炭は良いですね。快調とはいえませんでしたが、充分に楽しめました。少し整備して再挑戦しましょう。

石炭焚きシェイ22011年02月23日 20:11

 このシェイは、入手時には既に錆だらけでした。塗装のウェザリングが4割、残り6割は煤と油による本物の汚れです。やろうと思ってもなかなかできないレベルに達しているのでは。
 ボイラのサイドには道具箱があって、中にスパナなどの道具が入っています。あちらこちらに拘りが感じられるセンスの良い作りです。
 ボイラやエンジンなど錆びては困る部分は銅や真鍮ですが、それ以外は鉄を使っていて、錆びることを計算したかのようです。道具箱の前に油差しがのっています(下の写真)。 
 後部のタンクは2/3が水、残りの1/3にラジコンの受信機とバッテリィ。サーボはキャブの床下にあってレギュレータとリバースを動かします。エンジンはシリンダが小さく、力は出ませんが、見た目のプロポーション重視なのでしょう。
 石炭焚きの機関車は、走らせたあとの掃除が大変です。下の写真は、火室の火格子を外したところ。ブロアを止めて火を途中で落としたので、まだ未燃焼の石炭が残っていました。このほかに、前部の煙室扉を開けて掃除をする必要があります。手が真っ黒になります。機関車もますます黒光りします。
 ボイラが冷えてから、給水系の2つのチェックバルブの掃除もしました。エアでボイラに圧をかけて、水が逆流しないことを確かめました。ついでにエンジンも回して整備しました。次は大丈夫でしょう。

不思議なバルブギア2011年02月23日 22:00

 シェイで、もう1つ面白いことがありました。
 この機関車は、リバースをサーボで操作します。エンジンの主軸のレバーをサーボのアームが動かしています。エンジンのスライドバルブを動かすエキセンの軸は別に(奥に)あります。その軸へはギアで伝動しています(写真左)。
 リバースで後進にしても、ときどき前進したり、ニュートラルがどこなのかわからなかったり、と不思議な挙動が見受けられました。どんな仕組みなのか真っ黒でよく見えなかったのです。
 掃除をしつつライトで照らしてじっくりと調べてみると、なんとスリップエキセントリック方式でした。そして、リバースのレバーには扇形のアームが付いていて、この扇形が摩擦でスリップする側の軸を回転させます。扇形の両端では、軸と離れるので、そこでは抵抗になりません。
 つまり、この逆転機は完全に停止したときに、バルブ軸をずらすだけで、走っているときには効きません。ニュートラル近くで軸を擦るため抵抗が大きくなって止まることがあるだけです。逆転機がどちらに倒れていても、機関車が押されると、その方向へ走りだします。
 こんな機構のものは初めて見ました。